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静岡・西伊豆町に、漁港の一部を開拓して造られた“手ぶらでキャンプ場”があります。静かな自然と目の前が漁港という非日常空間で、マリンアクティビティとのセットプランもあります。ほかの施設では味わえない貴重な体験をしてきました。
「Seaside Base ARARI(シーサイドベース安良里」は2023年にオープンした、安良里港にあるキャンプとグランピングをあわせたような場所です。後編ではここで楽しめるマリンアクティビティを紹介します。
【前編】漁港の手ぶらでキャンプ場 テントもBBQも持ち物ナシでOK施設の概要
まずは1日目を振り返ります。調味料や調理器具などなんでもそろっているBBQ施設がありました。満点の星空を眺めながらお腹もいっぱいに。
シャワー設備もあるため、サッパリしてからぐっすり寝られます。
テントの中にはベッドとふかふかのお布団。二重扉に、虫除けスプレーもあって虫対策もばっちりでした。
タオルなどのアメニティも無料で使うことができます。
4種類のマリンアクティビティ
シーサイドベース安良里では、宿泊者向けに4つのマリンアクティビティが用意されています。料金は施設の宿泊予約と同時に申し込むことで、無料またはオプション料金となります。
・シュノーケリング(無料)
・係船釣り(無料)
・SUP(1人5000円)
・体験ダイビング(1人8000円)
今回は、まだ一度もやったことがないスタンドアップパドルボード・SUPに挑戦してみました。
施設から車で約8分の所にある「黄金崎公園」へ。宿泊の翌日早朝にスタッフが車で迎えに来てくれるため、タオル・水着・着替え・飲み物を準備して乗り込みましょう。
岩がまるで馬の顔のように見えることから「馬ロック」と呼ばれているポイントの裏まで進み、伊豆半島のダイナミックな地形が楽しめます。
初心者でもしっかりレクチャーで安心
初めての人でも、開始前にきっちり教えてくれるため安心です。
ボードの持ち方や乗り方、こぎ方に加えて、水中へ落ちてしまったときの対処法などを事前にレクチャーしてもらえます。15分ほどのレクチャーを終えたらいよいよボードに乗って海へ。
最初はボードのうえに座ってこぎます。少し慣れてきたところで立ち上がろうとしたら。生まれたての小鹿のように足がぷるぷるし、水中へドボン。
しかし水はそれほど冷たくはなく、水にぬれて初めて「海で遊んでるな~」感がありました。ライフジャケットを着用しているため、あえて海へ思いっきり飛び込んでみても気持ちがいいですよ。
岸からだいぶ離れたようです。ボードのうえから、2018年4月に「ユネスコ世界ジオパーク」に登録された、伊豆の独特でダイナミックな地形が楽しめます。
山の美しい木々を眺めたり、黄金崎公園の大きな崖や岩山などの近くまで案内したりしてくれます。
スタート地点近くの、入り江のような場所を水上散策します。水の色はまるで南国に来たかのような濃いブルーで、水中の魚がよく見えます。
ここらへんで15分ほどの自由行動。海に浸かってみたり、こぎまわったりして楽しみましょう。
最後はスタッフに協力してもらいながら岸に上がり、約3時間のSUP体験は終了です。
2日間とも天気や海のコンディションが非常によく、全身で伊豆の自然が満喫できました。
漁協×自治体×民間の珍しい施設でした
後継者不足や漁獲量の減少などで漁業の担い手が不足している今、使用されなくなった漁港や周辺の土地が増加し問題となっています。
Seaside Base ARARI・河合正典さん:
西伊豆町・安良里の漁協さんより、遊休地を有効に利活用できないものか?とご相談をいただきました。そこで漁師文化を肌で感じながら手ぶらでキャンプができる施設を開こうと考えたのです。インフラ設備が全くない状態からのスタートだったので非常に苦労しましたが、自治体の協力を得ることができたおかげで、無事に開業できました
シーサイドベース安良里は手付かずだった漁港周辺の土地を利用し、手ぶらでキャンプができる施設へと生まれ変わった貴重な場所です。
規制がある国立公園の中にありながら、キャンプ場を新しく設置できたのも協力体制があったから。オーナーの河合正典さんは、「漁協×自治体×民間企業」により完成した数少ない成功例ではないかと話します。
漁港と山に囲まれた、まるで隔離されたような場所にたたずむ手ぶらでキャンプ場は、手軽に自然を感じたい、たまには人込みや雑踏から逃れて静かな場所でゆっくりしたいとお考えの方にピッタリです。夏休みに家族で、またはカップルや友達同士でぜひ遊びに行ってみてください。
■施設名 Seaside Base ARARI(シーサイドベース アラリ)
■住所 静岡県西伊豆町安良里928-4
■定休日 不定休
■問合せ 0558-56-0780(7:00~21:00)
■ペットの同伴 可 ※1頭3300円、同伴ルールを厳守
■駐車場 あり
【詳しく見る】シーサイドベース安良里の公式サイト
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